4月に健康診断を行う企業様はそろそろ社員の健診結果が返ってきている頃かと思います。今日は健診結果をうけて、事後措置が必要であった場合のお話をさせていただきます。
はじめに
従業員の健康診断を実施した後、
- 健診結果は回収したけれど、その後何をすればよいかわからない
- 要再検査や要治療の従業員への対応に悩んでいる
- 産業医から「事後措置が必要」と言われた
このような経験はないでしょうか。
健康診断は受診して終わりではありません。企業には、健診結果に基づいて従業員の健康を守るための「事後措置」を行うことが求められています。
今回は、健康診断後の事後措置についてわかりやすく解説します。
事後措置とは?
事後措置とは、健康診断の結果に基づき、従業員の健康保持・増進のために企業が行う対応のことです。
健康診断で異常所見が見つかった場合、その結果を放置してしまうと、疾病の悪化や労働災害につながる可能性があります。
そのため企業は、必要に応じて医師の意見を聴き、就業上の措置を検討しなければなりません。
健康診断後に企業が行うべきこと
① 健診結果を確認する
まずは健康診断の結果を確認します。
特に、
- 血圧異常
- 血糖値異常
- 脂質異常
- 肝機能異常
- 心電図異常
などの所見がある従業員を把握することが重要です。
② 医師から意見を聴取する
健康診断で異常所見が認められた従業員については、企業は医師から就業上の措置に関する意見を聴かなければなりません。
これを「医師の意見聴取」といいます。
産業医が選任されている事業場では、通常は産業医が意見を述べます。
③ 就業上の措置を検討する
産業医の意見を踏まえ、必要に応じて就業上の措置を検討します。
例えば、
- 残業時間の制限
- 深夜業の制限
- 作業内容の変更
- 勤務時間の調整
などが挙げられます。
ただし、健康診断で異常所見があった従業員全員に就業制限が必要となるわけではありません。
健康状態や業務内容を踏まえて個別に判断します。
④ 受診勧奨を行う
「要再検査」「要精密検査」「要治療」と判定された従業員に対しては、医療機関への受診を勧めることも重要です。
特に高血圧や糖尿病などは自覚症状が少なく、受診が後回しになりがちです。
企業からの声かけが受診につながるケースも少なくありません。
「医師の意見聴取」はいつまでに行う?
労働安全衛生法では、健康診断の結果に基づく医師からの意見聴取は、
健康診断実施後3か月以内
に行うことが求められています。
健診結果が届いたまま放置されているケースも見受けられますが、法令遵守の観点からも早めの対応が望まれます。
まとめ
健康診断後の事後措置とは、健診結果を踏まえて従業員の健康を守るために企業が行う対応のことです。
企業には、
- 健診結果の確認
- 医師の意見聴取
- 就業上の措置の検討
- 受診勧奨
などが求められます。
健康診断を実施するだけでなく、その後の対応まで適切に行うことが、従業員の健康管理と企業の安全配慮義務の履行につながります。
神戸なないろ産業医事務所では、健康診断後の医師意見聴取や事後措置の運用支援を行っています。健診後の対応でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

